看護師の種類

ICU(集中治療室)看護師とは?特徴や仕事内容からメリット・デメリットを解説!

「ICU看護師ってどのような業務があるの?」

「ICU以外にも集中治療室はある?」

ICUは看護師の方なら聞いたことがあると思いますが、実際に働いたことがある方は少ないかもしれません。

実際にICUで働いている看護師はやりがいを感じている人が多く、まさに医療の現場で働いている実感が感じやす職場になります。

一般病院の看護師やその他のクリニック・施設で働いている雰囲気とはまるで違い、ものすごい緊張感と緊迫感の中で働く現場になるので精神的にきつい部分が多くあります。

しかし、そのような緊張・緊迫感がすごい現場でも仕事をやり終えた時の達成感や、患者さんを救えた時の言い表せない気持など充実感のある仕事になってます。

実際に看護師だけど、ドラマでしかICUのような現場は想像できないという方も少し入ると思うので、そのような方に向けてICUの特徴などを徹底解説していきます。

1.ICU(集中治療室)について解説

ICU(集中治療室)は、看護師なら身近に感じると思います。

しかし、実際に働いたことがある人以外実態はどのようになっているか分からないと思うので詳しく解説していきます。

ICU(集中治療室)とは

ICUの定義は、他の患者に比べて重症な患者を専門の病室に収容して、集中的に治療を行うための場所になります。

常に医師と看護師のチームにより監視されていて、記録装置や監視用カメラなどが備え付けられているような場所で、治療だけに専念するために作られています。

ICU(集中治療室)と言っても、細分化して診療科ごとに治療室を設けているところもあります。

そのため、ICUについて詳しい看護師の方は大丈夫ですが、どのような場所かうまく想像できない看護師の方に向けてICUのそれぞれの種類などについて解説していきます。

ICUを細分化すると以下の7つになります。

  • CCU(冠疾患治療室)
  • SCU(脳卒中治療室)
  • MFICU(母体胎児集中治療室)
  • SICU(外科系集中治療室)
  • KICU(腎疾患集中治療室)
  • PICU(精神病集中治療室)
  • NICU(新生児集中治療室)

1. CCU(冠疾患治療室)

CCUと言うのはCoronary Care Unitの略で簡潔に言うと、循環器系の重い疾患がある人に対して集中的に治療する場所になります。

2.SCU(脳卒中治療室)

SCUはStroke Care Unitの略で、脳卒中の方を相手にしたもので、脳神経内科に属するNCU(脳神経へか集中治療室)も一緒に設置されている病院もあります。

3.MFICU( 母体胎児集中治療室

MFICUはMaternal-Fetal Intensive Care Unitの略で、合併症妊婦や妊娠高血圧症候群など、ハイリスクな母体・胎児を治療するための病室になります。

4.SICU(外科系集中治療室)

SICUはSurgical Intensive Care Unit の略で、全身麻酔などの外科手術後の患者を術後様態が回復するまで管理するための集中治療室のことを言います。

5.KICU( 腎疾患集中治療室

腎臓疾患患者を対象としたもので、緊急に対応が必要な患者の治療などを行う治療室になります。

6.PICU(精神病集中治療室)

PICUはPsychiatry Intensive Care Unit の略で、精神科病院に設置されていて、精神病急性期患者や精神病以外の内科疾患を併発してる患者などの集中治療する施設のこと。

7.NISU(新生児集中治療室)

NISUはNeonatal Intensive Care Unitの略であり、生まれてきた赤ちゃん専門の集中治療室のことで新生児でも呼吸障害や仮死新生児など集中治療が必要な子などを対象にしたものになります。

このように、ICUと一言で言っても様々な集中治療の種類があるので、ICUに興味がある方はこれ以外にもいくつかまだ種類があるので検索してみてください!

2.ICU看護師の仕事内容・役割

看護師1

ICUの種類がいろいろとあるのは理解したけど、実際にどのような仕事をしているの?

このセクションでは、ICU看護師の仕事内容やその役割について詳しく解説していきます。

ICU看護師の仕事内容・役割とは?

  • モニタリング
  • 診療補助・治療介助
  • 医療機器の管理・操作
  • 環境整備・生活支援
  • チームメイトとの連携
  • 家族への精神的ケア

モニタリング(観察)

ICU勤務をしている人特有の業務の一つに、モニタリングと言う患者さんに装着されている医療機器の数値を確認する業務があります。

心電図などから、患者さんのいつもの状態などが分かるので、数値の確認をしたときに平常時と比べて異常な数字になっているとすぐに、おかしなことに気づくことが出来るためとても役立ちます。

また、数値には表れない部分も目視やこれまでの体感によって読み取ることも大切になります。

診療補助・治療介助

バイタルサインや全身の観察なども大切でありますが、一般病棟と同じく医師が行う診療や治療の補助業務をしたり緊急時などの対応も重要な役割の一つになります。

具体例を挙げると、X線撮影・混合静脈酸素飽和度モニタ・超音波など機械を使った診断の補助を行ったり、緊急時には心臓マッサージや気管切開などの作業をします。

医療機器の管理・操作

ICUには様々な医療機器が設備されているため、このような危機の管理や操作なども看護師の業務としてあります。

ICUで使用されている機器を挙げると、心電図モニター・中心静脈モニター・人工呼吸器・人口透析装置などがあり、一般病棟ではあまり見られない機器なども多くあります。

基本的には、臨床工学技士が操作や設定を行いますが、この専門家がいない場合は自分で操作する必要があるので看護師の方も覚えなくてはいけないのです。

環境整備・生活支援

ICU看護師の役割でも重要なのは、環境整備と患者の生活支援などです。

患者さんが集中治療室にいても、不快な気分にならないように環境を整えてあげたり、食事介助や排泄補助などの日常生活の支援も看護師がします。

一般の診療科に比べて、清拭・足浴・爪切りなどの機会が多く、マッサージなどのケアもしてあげます。

チームメイトとの連携

他の医療職との連携もICUで働く看護師にはかなり重要になります。

集中治療室にいる患者さんは、命が危ない状態なので情報が適切に共有できていないと、患者さんの状態が悪化してしまったり最悪亡くなってしまうこともあり得ます。

そのため、カンファレンスだけでなくいつ何時でも重要な情報が入ったら他の医療職の皆さんに伝える必要があります。

家族への精神的ケア

重篤な患者さんの家族は、面会制限などもありなかなか会えないので不安な気持ちでいっぱいになります。

そのため、家族への精神的ケアもICU看護師の重要な役割と言えるでしょう。

3.ICU看護師のメリット・デメリット

ICU看護師の特徴や仕事内容を踏まえてメリット・デメリットを解説していきます。

ICU看護師のメリット・デメリットは以下の通りになります。

ICU看護師のメリットとは?

  • 収入が増える可能性がある
  • スキルアップを狙える
  • 判断力が付く
  • やりがいを感じられる

一般の看護師の年収が約470万円と言われていますが、ICU看護師の年収は約550万円と病院などで働いている看護師よりも80万円ほど高い年収を平均で見るともらっています。

年収が高い分責任もかなり重い職業になっているので当たり前なのかもしれませんが、年収重視の人はICU看護師を目指すのも良いかもしれません。

また、ICU看護師にならないと身につかないスキルもあり、集中治療室でしか取り扱わない医療機器などが多くあるので、医療機器の管理や操作ができるようになります。

患者さんの療養上の世話も、一般の病棟と比べると回数が多いのでその分うまくなりますし、緊急時における判断力もつきます。

緊急時の対応や、様々なことに慣れておくと後々の看護師としてのキャリアに行かせることが多々あるので、数年ICU看護師として働くのも良いかもしれません。

一般の病棟で働いていては感じることが出来ないようなやりがいも感じられるので、少しでもICUに興味がある人は話だけでも聞いてみましょう。

ICU看護師のデメリット

  • 精神的な負担が大きい
  • 業務内容が多く大変
  • 家族や患者の対応が困難
  • 覚えるべき知識が多い

ICUにいる患者さんは、一般の病棟に比べると重篤な患者さんが多くいつ状態が急変してもおかしくありませんし、死に立ち会うことも多いです。

そのため、ICU看護師さんは常に高い集中力と判断力が求められますし、今までお世話をしていた患者さんがなくなるとつらくなってしまい精神的な負担が大きいです。

どれだけ、医師や看護師が一生懸命に治療しても亡くなってしまう患者さんはいますし、ICU看護師としては避けて通ることはできないのでこのようなことと向き合うのがつらい方はICU看護師はやめておきましょう。

ICUは24時間体制で監視されているため、夜勤も多く業務の量が多く常に多忙であります。

ICU看護師が担当する患者さんの人数は、一般病棟の看護師よりも少ないですがその分業務がかなり多くなるので、精神的・肉体的にも疲れやすくなります。

家族や患者さんへの対応も大変な部分が多く、事実をうまく伝えないと後からもめたりする原因にもなるので、不安を少しでも減らせるような対応を取りましょう。

覚える知識量も多くあり、ICU看護師になるために必要な資格はありませんが、以下の資格を取ることを推奨されることがあります。

  • BLS
  • ACLS

それぞれの資格を簡単に説明しておきます。

BLS

このBLSと言うのは、心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置のことを指しています。

この資格を取ることにより、心臓マッサージ・人工呼吸・AEDの使用を行えるようになります。

ACLS

ACLSと言うのは、アメリカ心臓協会が提供している蘇生教育コースのことで、BLSに次ぐ二次救急処置のことを指します。

心停止の治療に焦点を当てた標準教育になります。

4.ICU看護師の一日のスケジュール

ここでは、ICU看護師の一日のスケジュールの具体例を出しておきます。

ICU看護師の一日のスケジュール

7:30 情報収集

8:30 申し送り

8:45 ラウンド

9:00~12:00 バイタルサインチェック・・薬剤投与・更衣・検査など

12:00 お昼休憩

13:00~14:00 転棟準備・カンファレンス

15:00~16:00 午前中の作業の続き 

16:20 申し送り

16:40 KYT・インシデント共有

17:30 看護記録・終業

5.ICU看護師をおすすめする人・おすすめできない人

これまでの、特徴などから実際にICU看護師をおすすめできる人とできない人を紹介していきます。

おすすめできる人・おすすめできない人は以下の通りになります。

ICU看護師をおすすめできる人

  • 看護師としてスキルアップしたい人
  • 観察能力・自己管理能力がある人
  • チームとの連携が得意な人

看護師としてスキルアップしたい人

看護師としての知識や技術をよりレベルの高いものにしていきたいと思う人はおすすめできます。

ICUと言っても細分化すると様々な治療室があるため、専門分野を学びたい場合はそれ専用の治療室に入れば学ぶことが出来るようになります。

その他にも、ICUで学んだ知識はほかの診療科などに転科したとしても、変化の流れが速いICUでやっていたこともあるので知識が生かせますしすぐに対応できるようになります。

観察能力・自己管理能力がある人

ICUでは、バイタルサイン・心電図などをチェックしたり、患者さんの変化をいち早く気づくことが大切になります。

そのため、数値だけでなく患者さんの些細な変化にも気付ける観察能力がある人はICU看護師が向いていると言えます。

その他にも、人工呼吸器や輸血ポンプなどの医療機器も正しく動作しているか確認したりしないといけないので、視野が広いかつ観察能力がないとなかなか大変です。

また、ICUは一般病棟よりもかなり精神的にも体力的にも負担があるので、ストレスや疲労をコントロールすることが出来る自己管理能力がある人が向いています。

チームとの連携が得意な人

ICUは、24時間体制で患者さんを監視しますし、看護師以外にも薬剤師・臨床工学技士・医師など様々な人と情報提供しながら業務をこなす必要があります。

特に、看護師はチームの中心になる存在でもあるので連携をうまく取れないとチームが回らなくなるので、コミュニケーション能力が高く連携プレーが得意な人にはおすすめになります。

ICU看護師をおすすめしない人

  • ライフワークバランスを重視する人
  • 体力があまりない人
  • プレッシャーに弱い人

ライフワークバランスを重視する人

ICU看護師は、一般病棟の看護師に比べると夜勤が多く業務量も多いのでライフワークバランスを重視する人にとってはあまりよくない環境になります。

残業なども、作業が終わっていないと業務量が多い分残業も増える傾向にあります。

そのため、家庭と仕事を両立したい人やプライベートを充実した生活を送りたい人などは、ICU看護師という道を選ぶと後悔する可能性があるのでおすすめしません。

体力があまりない人

ICU看護師の場合は、先ほども述べましたが夜勤が多いので体力があまりない人は夜勤がきつく感じる可能性があり、あまりおすすめできません。

また、精神的にもつらい場面が多いので、それでも入りたいという方は夜勤などの人数体制や仮眠の時間などを事前に聞いて自分でも行けるかどうか判断するようにしましょう。

プレッシャーに弱い人

ICUは重篤な患者さんのための治療室などで、いつ状態が急変して亡くなってしまってもおかしくありません。

自分の医療ミスでもしかしたら、患者さんの命を奪う可能性も出てきます。

そのため、責任感がより一層に一般病棟の看護師よりも高いため、どのような仕事もプレッシャーを感じてしまいそれに押しつぶされてしまう人もいます。

もし、責任のある仕事をあまりしたくない人がいるのならICU看護師はやめた方が良いかもしれません。

7.ICU看護師を目指す方におすすめの転職サイト

ICU看護師を目指したいが、何から始めればよいか分からない人は転職サイトに登録してキャリア相談をしましょう!

おすすめの転職サイトは以下のようになります。

①看護のお仕事

運営会社株式会社レバレジーズメディカルケア
  拠点    東京・大阪・愛知・兵庫・神奈川
有料職業紹介 許可番号13-ユ-309623
設立2017年10月06日
対応地域全国
対応年代20代30代40代50代 *年齢制限はなし
求人数公開求人数:約12万件以上 非公開求人数:非公表
主な求人職種正看護師・准看護師・保健師・助産師
利用料金無料
  公式サイト    https://kango-oshigoto.jp/  
  • 求人数が多い
  • コンサルタントの質が良い

看護のお仕事は他の求人サイトと比べても、コンサルタントの質が良いです。

そのため、担当者の質に困っている人は看護のお仕事に乗り換えるのもおすすめです。

また、ナース人材バンクには負けますが求人数が12万件以上とかなり多いため、求人の少なさに困ることはなさそうです。

看護師1

とても丁寧・迅速な対応をしてくれました!

別の転職サイトが役に立たず、友だちに勧められ使用しました。
役に立たなかったサイトでは私の希望条件を全否定しましたが、このサイトは調べてみますとのこと。なかなか希望に合う条件の病院は少なかったのですが、見つけたときは迅速に対応してくれました。また、進捗状況も説明してくれるので信頼できました。ラインでのやりとりをしていましたが、電話する前にラインで予定を聞いてくれるところも好感を持てました。履歴書添削や面接対策も丁寧にしてくれ、希望の病院に就職することができました!

引用元:みん評 看護のお仕事

②マイナビ看護師

運営会社株式会社マイナビ
  拠点    東京・大阪・北海道・愛知・宮城・神奈川・埼玉・千葉・群馬・茨城・静岡・新潟・
石川・京都・兵庫・香川・岡山・広島・熊本・鹿児島・福岡
有料職業紹介 許可番号13-ユ-080554
設立1973年8月15日
対応地域全国
対応年代20代30代40代50代 *年齢制限はなし
求人数公開求人数:50,137万件以上 非公開求人数:非公表
主な求人職種正看護師・准看護師・保健師・助産師
利用料金無料
  公式サイト   https://kango.mynavi.jp/
  • 四年連続認知度No.1
  • 全国21カ所に拠点を構えている

マイナビ看護師は、全国21カ所に拠点を構えていて地方の方でも気軽に相談しに行くことが可能になります。

そのため、全国に名前が知られており、 四年連続認知度No.1という素晴らしい数字をたたき出しています。

また、情報誌の発行やセミナーなども定期的に開催しているので、情報収集も簡単にすることが出来ます。

数多くの転職エージェントの中からおすすめの転職エージェントを紹介していくので、気になったかたは随時調べてください。

看護師1

残業がほとんど無いところを紹介してくれた

今まで勤めていたところは、残業が多かったんです。だから、子どものお迎えに行く時間が遅くなり、たまに勤め帰りの夫にお願いしたことがあったんで辞めることにしました。
でも、私も働かないと家計が苦しいので、転職経験がある友人に話を聞いてもらうことにしました。
求人サイトや、広告で残業が無しと書かれていても人を寄せ付けるためのキャッチコピーみたいなものだから、病院に詳しい紹介会社で探すといいよと友人からアドバイスをもらったので、マイナビ看護師を使わせてもらうことにしました。
マイナビ看護師を利用させてもらった結果、今勤めている病院では残業がほとんど無く、子どものお迎えにもすぐに行ける様になりました。病院内でママさん看護師も数多くいるので、お迎えのことや姑のことを話せる仲間もできて利用してよかったなーって思っています。

引用元:みん評 マイナビ看護師

8.まとめ

今回の記事では、ICU看護師について詳しく解説していきました。

もし、本記事を読んでICU看護師を目指したいと思った方はICUにも様々な治療室が存在するので、実際に自分で調べたりして自分が興味のある分野に転職や就職しましょう。

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